避難と災害の情報

台風・大雨の警戒レベル、いつ逃げる?レベル3・4の意味と、来る前からのやること

避難のタイミングは「警戒レベル4までに」が基本です。2026年5月から気象庁の警報の名前も変わりました。レベルごとの意味、新しい警報の名前、キキクルの色、台風が来る前の準備を表にまとめました。

台風・大雨の警戒レベル、いつ逃げる?レベル3・4の意味と、来る前からのやること

台風や大雨のとき、テレビやスマホに「警戒レベル」が出ます。数字が上がっていくのはわかっても、自分の家はいつ動けばいいのか、迷う人は多いはずです。

実際、避難の情報が出ても動く人は多くありません。平成30年7月豪雨では最大約860万人に避難の情報が出ましたが、避難所に避難した人は対象の約0.5%でした(中央防災会議の報告)。避難所以外に逃げた人もいるので、実際に避難した人はもっと多いとみられます。それでも、多くの人が家にとどまったことは確かです。迷わないためには、レベルの意味を知り、どのレベルで動くかを先に決めておくことです。

警戒レベルと、とるべき行動

レベル

市区町村が出す情報

とる行動

5

緊急安全確保

すでに災害が起きているか、切迫している。命を守る行動をとる

4

避難指示

危険な場所から全員避難

3

高齢者等避難

高齢者、障害のある人、乳幼児のいる家などは避難。ほかの人も準備

2

(気象庁の注意報)

ハザードマップや避難先、逃げる道を確かめる

1

(気象庁の早期注意情報)

災害への心構えを高める

2021年5月に制度が変わり、それまでの「避難勧告」はなくなって「避難指示」にまとめられました。レベル4の避難指示が出たら、危険な場所にいる人は全員が対象です。

2026年5月から変わった、気象庁の警報の名前

気象庁は2026年5月29日から、警報などの名前にレベルの数字を付けました。現象ごとに次のようになっています。

レベル

大雨

土砂災害

川の氾濫

高潮

5

大雨特別警報

土砂災害特別警報

氾濫特別警報

高潮特別警報

4

大雨危険警報

土砂災害危険警報

氾濫危険警報

高潮危険警報

3

大雨警報

土砂災害警報

氾濫警報

高潮警報

2

大雨注意報

土砂災害注意報

氾濫注意報

高潮注意報

それまでの「土砂災害警戒情報」は「土砂災害危険警報」になりました。「洪水警報」はなくなり、大きな川の氾濫は「氾濫〜」の情報で、中小の川や低い土地の浸水は「大雨〜」の情報で伝えられます。状況が急に悪くなると、レベル3を飛ばしてレベル2から4が出ることもあります。

キキクルの色で、いまの危険度を見る

気象庁の「キキクル(危険度分布)」は、土砂災害・浸水・洪水の危険度を地図の色で示します。自分の住む場所の色を見れば、警報よりも細かく、いまの危険度がわかります。

色

意味

レベル

黒

災害切迫

5相当

紫

危険

4相当

赤

警戒

3相当

黄

注意

2相当

紫になったら、危険な場所にいる人は避難する目安です。黒になってからでは、外へ逃げるのが難しくなります。

ハザードマップを見ている人ほど、動いている

令和元年の東日本台風のあとに内閣府が行った調査では、ハザードマップを見たことがあるかどうかで、避難のしかたに大きな差がありました。

東日本台風で「避難しなかった」人の割合
  • ハザードマップを見たことがあり、自宅が危険な区域56.5%
  • ハザードマップを見たことがない83.5%

ウェブモニター3,078人へのアンケート(令和2年1月)。前者は自宅以外への避難19.9%、上の階への移動23.6%。 出典:内閣府「令和元年台風第19号等を踏まえた避難対策検討ワーキンググループ」資料

自宅のリスクを知っていると、動く判断をしやすくなります。調べ方はハザードマップの見方の記事にまとめています。

「避難」は避難所へ行くことだけではない

内閣府は、避難とは「難」を「避」けることだとしています。安全な場所にいる人は、避難所へ行く必要はありません。

  • 立退き避難:危険な場所から離れる。行き先は避難所のほか、安全な場所にある親せきや知人の家、ホテル・旅館も選べる
  • 屋内安全確保:家の上の階に移る、または上の階にとどまる。家が倒れたり流されたりするおそれがなく、水が引くまで過ごせる備えがある場合

東日本台風の調査でも、自宅以外に避難した人のうち、親せきや友人の家に避難した人は31.2%でした。避難所以外の行き先を、ふだんのうちに頼んでおくと安心です。

台風が来る前にやること

台風の前に片付けたベランダ。植木鉢を室内に入れ、物干しざおを下ろしている
風で飛びそうな物は、前日までに室内へ(写真はイメージです)
台風が近づく前の準備
  1. 数日前情報と避難先を確かめる

    気象庁の早期注意情報(5日先まで)を見て、避難先と逃げる道、家族の連絡方法を確かめます。

  2. 前日家のまわりを片付ける

    植木鉢や物干しざおなど飛ばされそうな物は、固定するか家の中へ。側溝や排水口を掃除します。

  3. 前日窓と停電・断水の備え

    窓や雨戸のカギを閉め、カーテンを下ろします。懐中電灯、ラジオ、スマホの充電、飲み水を確かめ、浴槽に水を張っておきます。

  4. レベル3動きにくい家族は避難を始める

    高齢の家族や小さな子どもがいる家は、明るいうちに動きます。

  5. レベル4危険な場所から全員避難

    暗くなる前、雨と風が強まる前に動くのが理想です。

停電への備えは停電したら最初の30分でやること、断水したときのトイレは断水とトイレの記事も見てください。

「マイ・タイムライン」で、動く時間を決めておく

国土交通省は、台風などで川の水位が上がるときに自分がとる行動を、時間の流れに沿って書き出す「マイ・タイムライン」を勧めています。平成27年の関東・東北豪雨をきっかけに作られた考え方で、目的は「逃げ遅れゼロ」です。上の準備の表を、家族の事情に合わせて書き直し、冷蔵庫に貼っておくだけでも、当日の迷いが減ります。

よくある質問

警戒レベル4が出たらどうする?
危険な場所にいる人は全員避難します。避難先は避難所のほか、安全な場所にある親せきや知人の家、ホテルも選べます。家が安全な条件を満たすなら、上の階にとどまる屋内安全確保も選べます。
警戒レベル3は何をすればいい?
高齢者、障害のある人、乳幼児のいる家など、避難に時間がかかる人は避難を始めます。それ以外の人は、外出を控えたり、避難の準備をしたりするタイミングです。
避難勧告はなくなった?
2021年5月20日に廃止され、避難指示にまとめられました。いまは警戒レベル4が「避難指示」です。
2026年から警報の名前はどう変わった?
2026年5月29日から、気象庁の情報は「レベル4 大雨危険警報」「レベル4 土砂災害危険警報」のように、レベルの数字付きの名前になりました。洪水警報はなくなり、川の氾濫は「氾濫〜」、中小の川や浸水は「大雨〜」の情報で伝えられます。

参考にした資料