家族の安否確認、どう決めておく?災害用伝言ダイヤル171・web171の使い方と、わが家のルール
大きな災害の直後は、電話がほとんどつながりません。災害用伝言ダイヤル171とweb171の使い方、携帯各社の伝言板、公衆電話と無料Wi-Fiのこと、家族で決めておく連絡のルールをまとめました。

「災害が起きても、家族とはすぐ連絡が取れる」。内閣府の世論調査(令和7年)では、家族と災害の話し合いをしていない理由として、22.0%の人がこう答えていました。ただ、大きな災害の直後は、電話がほとんどつながらなくなります。
災害の直後、電話がつながらない理由
災害が起きると、家族や知人の無事を確かめようと、たくさんの人がいっせいに電話をかけます。東日本大震災では、ふだんの50〜60倍以上の通話が集中しました。そのままでは110番や119番までつながらなくなるため、電話会社は通話を制限します。
- 固定電話80〜90%
- 携帯電話70〜95%
携帯電話の音声通話の規制は数日間、断続的に続いた。 出典:総務省 報道資料・平成23年版 情報通信白書
一方で、メールやメッセージなどのデータ通信は、音声通話ほど制限されませんでした。災害の直後は「かけ続ける」より「伝言を残す」ほうが、家族に届きやすいのです。
声で残す:災害用伝言ダイヤル171
NTTの「171」は、電話番号を伝言箱にして、声のメッセージを残せるサービスです。大きな災害が起きたときに使えるようになります。固定電話、携帯電話、公衆電話から使えます。
やりたいこと | かける番号 | 続けて入れる番号 |
|---|---|---|
伝言を録音する | 171 → 1 | 連絡を取りたい家の電話番号(市外局番から) |
伝言を聞く | 171 → 2 | 同じ電話番号 |
暗証番号付きで録音 | 171 → 3 | 電話番号と、4けたの暗証番号 |
暗証番号付きで聞く | 171 → 4 | 電話番号と、4けたの暗証番号 |
1つの伝言は30秒以内です。1つの番号に残せる伝言の数には上限があり、超えると古いものから消えていきます。何を言うか迷わないように、「誰が・どこにいて・けがはあるか・これからどうするか」の順で話すと決めておくと、30秒で収まります。
文字で残す:web171と携帯各社の伝言板
「web171」は、インターネットで文字の伝言を残せるNTTのサービスです。電話番号を入れて、伝言を登録したり確認したりします。1つの伝言は全角100文字までで、最大6か月保存されます。家族の電話番号をあらかじめ登録しておくと、伝言が入ったときにメールで知らせてもらえます。
携帯電話の会社も、それぞれ「災害用伝言板」を用意しています。ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの伝言板は、スマホのブラウザやアプリから使えます。携帯各社とweb171の伝言は、会社をまたいでまとめて探せるしくみになっているので、家族が別の会社のスマホでも確かめられます。
ただ、こうしたサービスを知っている人は多くありません。NTTドコモ モバイル社会研究所の2021年の調査では、災害用伝言ダイヤルを知っている人は62.4%、災害用伝言板は30.6%でした。家族全員が知っているか、一度確かめておきます。
スマホが使えないときの手段
- 公衆電話:災害時には優先してつながる電話として扱われ、通話の制限を受けません。大きな災害では無料になることがあります
- 特設公衆電話:避難所などに置かれる電話で、無料で使え、171もかけられます
- 00000JAPAN(ファイブゼロジャパン):災害時に無料で開放される公衆Wi-Fiです。パスワードも暗号化もないので、安否確認と情報集めだけに使い、IDやパスワードの入力、ネットバンキングは避けます
公衆電話は、ふだん使う人が減って数も少なくなっています。家や職場、学校の近くのどこにあるか、一度見ておくと安心です。スマホの電池を長持ちさせる設定はスマホの電池の記事にまとめています。
家族で決めておく、わが家の連絡ルール
内閣府の世論調査(令和7年)で、家族と話し合う内容として「家族や親族との連絡手段」を重要だと答えた人は54.1%で、前回の59.1%から下がっていました。道具があっても、どう使うかを決めていなければ、いざというときにすれ違います。
- 1伝言を残す番号を1つに決める
171もweb171も、電話番号ごとに伝言がたまります。「自宅の固定電話の番号」など、家族全員が同じ番号に残すと決めます。
- 2使う順番を決める
たとえば「メッセージアプリ → web171 → 171」。かけ続けるのはやめる、と決めておきます。
- 3集合場所を2つ決める
家の近くの1か所と、家に戻れないときの避難所など。避難所の中の待ち合わせ場所(正門の前など)まで決めておくと会いやすくなります。
- 4遠くの親せきを中継にする
被災地どうしの電話はつながりにくくても、遠くの地域にはつながることがあります。全員が連絡する遠方の1人を決めておきます。
- 5紙に書いて持ち歩く
家族の電話番号、伝言を残す番号、集合場所をカードに書き、財布や持ち出し袋に入れます。
子どもには、学校にいるときに災害が起きたら学校の指示に従うこと、迎えは誰が行くかも伝えておきます。持ち出し袋に入れる連絡先のメモは持ち出し袋の中身リストでも触れています。
よくある質問
- 災害用伝言ダイヤル171の使い方は?
- 伝言を残すときは「171」を押してから「1」、続けて連絡を取りたい家の電話番号を市外局番から入れます。聞くときは「171」「2」と電話番号です。1つの伝言は30秒以内です。
- 171はいつ練習できる?
- 毎月1日と15日、正月三が日、防災週間(8月30日〜9月5日)、防災とボランティア週間(1月15日〜21日)に試せます。災害が起きている間は試せないことがあります。
- web171と171の違いは?
- 171は声で、web171はインターネットで文字の伝言を残します。web171は1つの伝言が全角100文字までで、最大6か月保存されます。携帯各社の災害用伝言板とまとめて探すこともできます。
- 災害時に電話がつながらないのはなぜ?
- たくさんの人がいっせいに電話をかけるため、110番や119番を守るために電話会社が通話を制限するからです。東日本大震災では携帯電話で最大70〜95%の規制が行われました。メッセージや伝言サービスのほうが届きやすくなります。


