
停電でいちばん体にこたえるのは、暗さより温度です。夏はエアコンが止まって部屋が蒸し、冬は暖房が切れて底冷えします。電気が戻るまでの数時間から数日を、どうやり過ごすか。夏と冬に分けて書きます。
夏の停電:熱中症を防ぐ
夏の昼間、エアコンの止まった部屋は、思っている以上に早く室温が上がります。やることは「熱を入れない」「風を通す」「体を冷やす」の3つです。
- カーテンを閉めて日差しをさえぎる。特に西日の窓
- 向かい合う2か所の窓を開けて、風の通り道をつくる
- 濡らしたタオルを首・わきの下・足のつけ根に当てる。太い血管が通っていて、効率よく冷える
- 水分は「のどが渇く前に」。塩分も少し。経口補水液か、水1リットルに塩1〜2g(環境省の目安)
- 日中は1階や北側の部屋へ。2階や屋根裏は熱がこもる
- ポータブル電源があれば、扇風機(DCモーターなら20W前後)を回す。500Whで20時間ほど動く
高齢の家族や小さな子どもは、暑さを感じにくかったり、言えなかったりします。顔が赤い、汗をかいていない、ぐったりしている、は危険のサインです。
冬の停電:体温を守る
冬は「体から熱を逃がさない」が基本です。部屋全体を暖めようとせず、人を暖めます。
- 重ね着をする。肌に近い層は綿より化繊やウールのほうが、汗で冷えにくい
- 首・手首・足首を覆う。マフラー、手袋、厚い靴下
- 床に直接座らない。毛布や段ボールを敷く。床からの冷えが大きい
- 家族で同じ部屋に集まる。人の体温で部屋が少し暖まる
- 寝袋があれば使う。毛布2枚より暖かい
- カセットコンロでお湯を沸かし、湯たんぽや飲み物に。使うときは換気を
石油ストーブは、電気を使わないタイプなら停電中も使えます。ただし、1時間に1回は窓を開けて換気を。一酸化炭素は色もにおいもありません。
ポータブル電源で暖房器具を使うなら、電気毛布(弱で20W前後)がいちばん効率がよく、1,000Whなら一晩じゅう使えます。電気ストーブ(1,000W前後)は1時間ももたないので向きません。
夏も冬も共通:ふだんから用意しておくもの
- 夏:保冷剤、うちわ、経口補水液、凍らせたペットボトル
- 冬:毛布か寝袋、カイロ、湯たんぽ、カセットコンロとボンベ
- どちらも:水、電池式ラジオ、体温計
停電が長引いて体調が心配なときは、無理をせず自治体の避難所へ。空調のある場所に移るのも、立派な「備え」です。
暑さ指数(WBGT)で動き方を決める
気温だけでなく湿度や日差しも入れた「暑さ指数(WBGT)」を見ると、どれくらい用心すればいいかがわかります。環境省の目安は次のとおりです。
- 31以上(危険):外出はなるべく避け、いちばん涼しい部屋で過ごす
- 28〜31(厳重警戒):炎天下を避け、室温の上がりやすい部屋にいない
- 25〜28(警戒):こまめに休み、水分と塩分をとる
- 25未満(注意):体を動かすときは、こまめに水分をとる
暑さ指数は、環境省の熱中症予防情報サイトで地域ごとに見られます。停電中はスマホの電池を節約したいので、朝のうちに一度確かめて、その日の動き方を決めておくと楽です。
参考にした資料
- 環境省「熱中症予防情報サイト」
- 内閣府 防災情報のページ「災害時の避難生活」
- 総務省消防庁「一酸化炭素中毒事故の防止」
- 環境省「熱中症予防情報サイト」


