
停電したとき、冷蔵庫の中身は意外と長くもちます。ただし条件があって、「扉を開けない」ことです。開けるたびに冷気が逃げて、もつ時間が一気に縮みます。
ここでは、冷蔵室と冷凍室で何時間もつのか、何から食べるべきか、どこで見切りをつけるかを順に書きます。
冷蔵室は数時間、冷凍室は1〜2日
- 冷蔵室:扉を開けなければ、約4時間は冷たさを保てる(USDAの目安)。夏場や古い冷蔵庫は短めに見る
- 冷凍室:満杯なら約48時間、半分なら約24時間、凍ったままを保ちやすい。詰まっているほど長い
この数字は、アメリカ農務省(USDA)が家庭向けに案内している目安をもとにしています。日本の家庭用冷蔵庫でも、仕組みは同じです。
もつ時間を延ばす3つの工夫
- 扉を開けない。開けるなら1回で済ませる。何が入っているか、紙に書いて扉に貼っておくと迷わない
- 冷凍庫の保冷剤や凍らせたペットボトルを、冷蔵室に移す。冷蔵室の温度上昇をゆるやかにできる
- クーラーボックスがあれば、肉や乳製品など傷みやすいものを保冷剤と一緒に移す
食べる順番
停電が長引きそうなら、傷みやすいものから食べていきます。
- 冷蔵室の生もの:肉、魚、卵、乳製品、開封した調味料
- 冷蔵室の野菜、豆腐、納豆、ハムなどの加工品
- 冷凍室のもの(解けてきたら早めに)
- 常温の備蓄:缶詰、レトルト、乾麺(最後まで取っておく)
カセットコンロがあれば、冷蔵室の肉や魚を先に火を通して食べきる、という手もあります。
捨てる目安
「もったいない」が食中毒につながるのが、停電のあとです。目安は次のとおりです。
- 冷蔵室の肉・魚・卵・乳製品:停電から4時間を過ぎたら、においや見た目に関係なく捨てる(USDAの目安)
- 冷凍食品:完全に解けて、常温に2時間以上あったものは捨てる。氷の結晶が残っていれば再冷凍できる
- 調味料(しょうゆ、ケチャップなど)、未開封の漬物:多くは常温でも数日は大丈夫
- 迷ったら捨てる。停電中は病院にも行きにくい
電気が戻ったら
冷蔵庫はすぐに冷えません。庫内が十分冷えるまで数時間かかるので、戻ってからも扉の開け閉めは控えめに。冷凍室のものは、氷の結晶が残っているか、4℃以下を保っていたものなら再冷凍できます(食感は落ちます)。完全に解けて時間がたったものは捨ててください。
ふだんから冷凍室を詰め気味にしておく、凍らせたペットボトルを常備しておく。この2つだけで、停電のときの余裕がかなり違います。
参考にした資料
- USDA(アメリカ農務省)「Food Safety During Power Outages」
- 農林水産省「災害時の食品の取扱い」
- 消費者庁「食中毒予防の6つのポイント」


